よく質問されるので「めまい専門医」についてお話しします。
医師は自分の専門分野に応じて複数の学会に所属しています。それぞれの学会では一定の基準を満たした医師に「専門医」の資格を与えています。資格の取得には経験年数、経験症例数、学術発表などの業績のほかに筆記試験などを課している学会もあります。
私も複数の学会に所属しており、いくつかの「専門医」資格を持っています。
良く聞かれるのは「先生はめまい専門医ですか?」と言う質問ですが、実は「日本めまい平衡医学会」には「めまい専門医」という資格はありません。それでは、何があるかというと「めまい専門会員(アクティブメンバーとも言う)」と「めまい相談医」と言う資格があります。紛らわしくてよく分かりませんね。ちなみに、名簿はこちらで確認できます。かつて、学会の委員会にいましたのでこの辺の経緯もある程度はわかっています。
元々「めまい専門会員(アクティブメンバーとも言う)」の資格しかありませんでした。ただ、この資格を取得するには非常に多くの業績と経験を必要とします。めまいを専門にしている医師以外にはかなりハードルが高いと言えます。そのため、若い医師でこの資格を取ろうという人が減ってしまいました。ちなみに、北海道では私を含めて4人しかおりません(2014年2月時点)。40代半ばの私が最年少です。
そこで、少しハードルを下げた「めまい相談医」と言う資格を新たに作りました。めまい専門会員は自動的にめまい相談医になりますので、私は両方の資格を持っていますが、ハードルを下げた「めまい相談医」も北海道では9人(2014年2月時点)しかおりません。
めまい患者さんは非常に多いのですが、原因・治療は多岐にわたっていますので、専門の知識を持つ医師が増えることが患者さんのために必要と思われます。
私も少しでも貢献できるようにこれからも頑張ります。