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問診のジレンマと自己嫌悪

 問診で診断の7割はつくと思っています。ですから問診には力を入れます。初診の患者さんであればなおさらです。

 

 しかし、医者が聞きたいと思うことと、患者さんの話したいことは必ずしも(というかほとんど)一致しません。どうしても話がかみ合いません。例えば、

 

「いつから調子が悪いですか?」

患者さん「ずっと前から」

→本当は「昨日から」「3日前から」「1週間前から」という答えを期待しています。

 

「どのぐらい症状が続いていますか?」

患者さん「ずっと」

→本当は「数時間」「1回は10分で収まるけどそれを繰り返している」などなど

 

 例えば、インフルエンザの検査や治療をする場合、発熱直後に検査をしても正しい結果が出ないことがあります。また、発熱後48時間以内に治療をしないと効果がありません。ですから、「いつから」がとても重要なのです。

 当院にたくさんいらっしゃるめまいの患者さんでは特に問診が重要です。そのため、私の知りたいことがわかるまでかなりしつこく質問します。しかし、具合が悪くて病院を受診している人がスラスラと答えられるはずがありません。私もわかっていながら、正しい診断のためにと思いついつい夢中になって質問を繰り返してしまいます。そして、その日の診療が終わった後で「悪いことをしたな」と自己嫌悪に陥る繰り返しです。

 

 そうかと思えば、家族構成からペットの体調まで知らなくても良いことを延々と話して下さる方もいます。時間のあるときはそんな会話も一服の清涼剤となるのですが、混んでいるときは話を切り上げるのに苦労します。話過ぎも困るのです。

 

 明日も同じジレンマを抱えながら診療に望んでいることと思います。