この度の胆振東部地震では多くの方が犠牲になり被災されました。心よりお見舞い申し上げます。
当院も物理的な被害は少なかったものの、金曜日の夜遅くまで停電が続き、やむなく土曜日も休診とせざるを得ない状況でした。受診できなかった方々には大変ご迷惑をおかけしました。
さて、月曜日から診療を再開して、地震の後からめまい、揺れを感じるという訴えの方が毎日かなりの人数受診されております。症状はぐるぐる回ると言うよりは横に揺れるという感じ。また、動いている時は気にならないけど、じっとしていると揺れている感じがする。これはまさしく乗り物酔い、船酔いに代表される動揺病の一種で、地震の後に起こるので「地震酔い」と呼ばれています。
2011年の東日本大震災では実に被災された方の8割近くが何らかの揺れを感じる「地震酔い」の症状を経験した、と言われています。
原因は科学的には解明されてはおりませんが、強い揺れと同時に大きなストレスを感じることによる一種のPTSD(心的外傷後ストレス障害)ではないかと考えられています。乗り物酔いなどを経験した人ほどなりやすいと言われていますので、子供よりも大人の方が発症しやすいようです。また、揺れる感じと同時に自律神経失調症状の一部と思われる吐き気、冷や汗、頭痛等の訴えの方もいます。
しばらく、テレビや新聞でも報道が続きますので、どうしても忘れることはできませんが、時間とともに徐々に改善することが多いようです。焦らずゆっくり治していきましょう。お困りの際は当院までどうぞ。