6月中はぱっとしない天気が続いていましたが、7月に入りようやく春の花粉症も終わりに近づきました。7月8月は花粉症は一旦落ち着き、風邪も大流行はしません。
ただし、夏に流行るプール熱(アデノウイルス感染)、手足口病、ヘルパンギーナなどもありますので、要注意!
そして、何より新型コロナウイルスが未だに終息の見通しが立っていません。このまま、風邪が流行する9月10月を迎えるのは本当に心配です。
引き続き、マスク、手洗い、ソーシャルディスタンスに気をつけていきましょう!
そろそろ、春の花粉症のシラカバ花粉が減ってくる頃ですが、入れ替わりに5月下旬からイネ科花粉がたくさん飛んでいます。例年6月いっぱい飛んでいますので、あと1ヶ月要注意です。
コロナ対策で外出を控え、さらには病院受診も控え、マスクをする習慣のお陰か、今年は花粉の量が多い割には4月、5月はあまり花粉症の患者さんは来院しませんでした。
ただ、これから暖かくなり、自粛も解除になり、外に出る機会も多くなると思います。くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみ、のどのイガイガ・咳などが1週間以上続く場合は花粉症などのアレルギー性の症状の可能性がありますので、お困りの際はお近くの耳鼻科でご相談下さい。
昨年から予想されていたことではありますが、4月26日頃より一気にシラカバ花粉の飛散量が増えました。
例年の観察花粉数(1cm2)が100前後、一番多かった2年前のピークでも400ですが、今年は1000近くになっています。例年の10倍、一番多かった2年前の2倍以上です。
新型コロナウイルス対策としての外出自粛、マスク着用が花粉症対策にも繋がっていますし、病院受診を控えている方も多いので、受診患者数はあまり多くはありませんが、推奨されている換気をすると屋内にも沢山の花粉が入り込みますので、今年は苦労します。
3密を防ぐためにも病院受診を強く勧めることはしませんが、過去に処方歴のある方は極力手順を簡略化して対応しておりますので、電話等でご相談下さい。
今は世界がコロナを中心に回っている状況ですね。こんな世界が訪れるとは夢にも思っていませんでした。
世界中の方々が不安な毎日を過ごし、政治は混乱し、医療現場は医療崩壊寸前です。クラスターが発生した北海道がんセンターは私が医学部を卒業して3年目に赴任した病院です。とても他人ごとには思えません。
うちのクリニックも4月1日に隣の新築のビルに移転して、ピカピカの設備で気持ちよく患者さんを迎えるつもりでした。4月から北海道は花粉症の本番を迎えますので、本来は困っている方はどんどんいらして下さい、と言うべき所を、今は医療対応も簡略化しなければならず、極力受診を控えるように指導しなければならず、新築早々、換気と消毒の毎日です。せっかく新しくした設備も半分は眠ったままです。
私たちスタッフも万が一にも院内で感染が広まらないように緊張の毎日です。今は、どうしても軽症、不要不急の症状であれば極力受診を控えるように、どうしても受診が必要な場合は最小限の人数で受診していただき、密集を避けるためにも待ち時間を極力少なく、そのために診療も短時間で終わらせる必要があります。
このような対応をするために新築したわけではありませんが、コロナウイルスの状況が落ち着くまで仕方ありません。当院の受診を希望する患者様には大変ご不便ご迷惑をおかけしていることと思いますが、感染が落ち着くまでみんなで力を合わせて乗り切りましょう。コロナを克服した暁にはたっぷりとお付き合い致します。
阪神の藤浪晋太郎投手が新型コロナウイルスに感染したことが判明し、その症状が嗅覚障害「においを感じない」と言う症状だったと報道されています。WHOの報告では感染者の約9割が発熱、約4割が倦怠感、約2割が咳・息切れの症状が出ていた、と報告していますが、嗅覚障害については調査中となっています。ただし、イタリアからの報告では約3割が嗅覚や味覚の障害が出ていたと報告しています。
詳細な報告はこれから増えるでしょうが、現段階では他に症状(鼻みず、鼻づまり、くしゃみなど)が無いにもかかわらず、突然においや味がしなくなったら新型コロナウイルスに感染している可能性が否定できません。万が一、自分に「においがしない」「味がしない」という症状が出たらすぐに検査を受けた方が良いのだろうか、と不安になりますね。
この場合の対応の第一目的は「症状改善」ではなく「感染拡大防止」になります。このような患者様から当院に相談があった場合の対応として、
となります。診察も受けられず、薬ももらえないと不安や不満に感じる方も多いと思います。ただ、急性の嗅覚障害・味覚障害に対する治療はほとんどありません。また、藤浪投手もそうですが、軽症の場合は新型コロナウイルスであろうが、無かろうが数日で症状が改善してくることが多いです。むしろ、熱も無い新型コロナウイルス感染者が病院・職場・学校などに外出することによって他の方にうつす方が深刻です。
国を挙げて新型コロナウイルスに立ち向かう苦しい時期ですので、苦しいこと、不満に思うことも沢山あると思いますが、みんなで協力してこの難局を乗り切りましょう!
私が医師になってから日本国内でこれ程大きな影響を与える感染症の流行は初めてです。一応医療従事者である自分でも毎日の対応に戸惑っていますから、多くの皆さんは様々な情報に恐怖を感じ、不安と混乱の中で困っていることと思います。具体的な統計データやウイルスに関する専門的な情報は日々更新されますので、報道機関を参考にして頂くとして、当クリニックを利用されている身近な人々のために私個人の思うところを書いておこうと思います。
【良く聞く「正しく怖がりましょう。」について思うこと】
これにはおそらく、二つの意味があると思います。一つは、目に見えないウイルスだけど、油断すること無く色々なところにいると思って常に注意しましょうと言うこと。二つ目は過度に警戒したり、デマに惑わされて、やらなくても良いことやったり、買わなくても良い物を買ったりすることの無いように、と言うことだと思います。
具体的なことはニュースで毎日のように報道されていますので書きませんが、このような状況では集団心理による一種のパニックのような状態になります。何を信じて良いのかわからなくなりますが、基本的には公的な機関や専門家が言っている最新の情報を(「こう言っていたよ。」という人からの又聞きでは無く)直接、自分で聞いたり見たりしたことを信じた方が良いと思います。そのための情報収集に敏感になるのは悪いことでは無いと思います。ただ、全部を信じる必要は無いので、その辺の見極めが大事だと思います。
【新型コロナウイルスの特徴について思うこと】
何と言っても一番コワイ特徴が肺炎を起こすこと。そもそも肺炎は高齢者において死因の第3位で有り、コロナウイルスと関係が有る無しにかかわらず命に関わる病気です。インフルエンザや他の感染症でも肺炎の原因になりますが、肺炎の合併率が新型コロナウイルスに関しては高いようです。そのため、咳、呼吸苦、胸の痛み,体のだるさの症状が他の感染症より長引くようです。ちなみに、耳鼻科では肺炎の検査・診療は出来ません。
また、感染力もかなり強そうです。なぜそう思うかというと、たった一人の感染患者の対応をした医師や看護師が感染するケースが多数見られることです。医師・看護師はプロです。対応する相手はほぼ全員病気を持った患者ですので、新型かどうかに関わらず十分警戒して対応しています。ましてや、今はインフルエンザの流行期ですので、ウイルス対策を万全にした上で患者に対応しているはずです。そのようなプロの方々が感染するのは、例えばインフルエンザでは良くあることではありません。私もこの時期は毎日のように数人から多い日は数十人のインフルエンザの患者さんを診察しますが、感染したことは10年以上一度もありません。それを考えると少なくともインフルエンザよりは感染力が強い気がします。
【「もっと簡単に検査ができれば良いのに。」について思うこと】
確かに、現在流行中のインフルエンザに比べると新型コロナウイルスの検査は簡単に出来ないですし、保健所や相談センターに電話しても全然繋がらない状況が続いています。事実として、もっと簡単に検査が出来るようになれば正確な状況がわかりますので、政府・自治体・医療機関そして各個人の方々も対策は取りやすくなるでしょう。専門家の中には実際の感染者が現在発表されている人数の数千倍から数万倍はいるだろうと推測している人もいます。ではなぜ検査が簡単にできないのか。
政治的な理由や技術的なことについては私は専門家ではありませんし、散々報道されていますので、ここではコメントしません。ただ、日頃インフルエンザの検査をしている印象からすると、検査はタイミングややり方によって結果が正しく出ないことがあると言うことです。インフルエンザの場合、発熱直後に検査をしても陰性に出るけど、翌日にもう一度検査をすると陽性に出ることは良く経験します。ましてや、上気道(鼻やのど)にいるインフルエンザと違って、下気道(気管、気管支、肺)にいるコロナウイルスの場合、鼻やのどを綿棒でこすってもウイルスまで届いていない可能性があります。現在のPCR検査のように時間とお金がかかる検査の場合、何度も気軽に実施することが出来ません。つまり、陰性と判定されても安心できないような検査を全員にやってもあまり意味が無いと言えます。もう少し簡便で早く、安く、正確に行える検査が開発されることを願います。
最後になりますが、現在インフルエンザB型が流行しています。引き続き、感染対策に全力を注いでこの危機をみんなで乗り切りましょう!