コロナ禍で増えるVDT症候群

 VDT症候群ってご存知でしょうか?ほとんどの人が聞いたことが無いと思います。VDTとはVisual Display Terminalsの略で直訳すると「端末としてディスプレイが備わっている装置」をさします。簡単に言えば、パソコン、タブレットスマートフォンなどをさします。

 パソコンが普及し始めた1980年頃から知られていた症候群ですが、現代ではパソコン、タブレットスマートフォンの無い生活は考えられないですね。ましてや、昨年からのコロナ禍でテレワーク、オンラインでの作業が推奨され、外出もままならない状況では動画を見たり、ゲームをするぐらいしか楽しみがありません。

 これらのディスプレイを長時間連続して使用することにより起こる症状を総称してVDT症候群と呼びます。代表的な症状は眼精疲労で主に眼科が専門になりますが、肩・首のこりでは整形外科、頭痛では脳神経外科不眠・うつ症状では精神科、そしてめまい症状で耳鼻科、と多くの分野にまたがって様々な症状が起きます。

 最近、当院を訪れるめまい患者さんで特に若い方で不眠、肩こり、頭痛を同時に訴える方が増えてきました。めまいは回転性では無く、ふらつきを訴える方が多いようです。同じ姿勢で画面を見続けることが原因とされています。

 2002年には厚労省からVDT作業におけるガイドラインが発表されています。全部守るのは大変ですが、すぐに実行できることとして、「作業する部屋を明るくすること」「1時間の作業に対して10分から15分の休憩を入れる」という2点を気をつけるだけでも改善が期待できます。休憩中は軽い体操やストレッチ、窓から遠くの景色を眺めるなど目、首、肩をほぐすと良いようです。

 まだ終わりの見えない新型コロナウイルスのせいで気持ちが沈みがちですが、身近に出来ることから工夫しながら明るく過ごして乗り越えましょう!